「性被害、10代の多くは家庭内」 学校と連携強化し対処法研究へ

(2015年8月27日午前7時20分)
 性暴力被害の総合的な相談窓口を置く福井県済生会病院(福井市)は、未成年被害者の早期発見を目指して学校側との連携を強化している。窓口の存在を小・中学校、高校に周知し、事例を基に対処法を研究する機会を設ける。10代少女は問題を1人で抱え込む傾向が強いとされ、医療・教育両機関が協力して埋もれがちな性被害に耳を傾け、解決に導いていく。

 相談窓口は、同病院が2014年4月に開設した「性暴力救済センター・ふくい(通称ひなぎく)」。産婦人科医と臨床心理士らが緊急避妊治療や心のケアを行い、県警、行政担当者への橋渡し役も担う。

 ひなぎくによると、15年3月末までの1年間で33人から延べ74件の相談を受理。10代の相談が最多の11人(34%)で、次いで20代が6人(18%)と若年層の被害が目立った。

 ただ、センター長の細川久美子産婦人科部長は「数字は氷山の一角。被害を知られたくないとの不安から誰にも相談しない女性が相当いる」とみている。特に10代は、被害の多くが家庭内で起きているとし、口を閉ざす割合が高いと分析する。

 他の病院や行政機関との連絡体制は既に整えており、「少女の身近にいる学校関係者との連携が開設以来の課題だった」という。

 このため福井県済生会病院は養護教諭を招いた連絡会議を設けることにし、8月26日に院内で初の会議を開いた。教諭15人と行政担当者らが連携強化の方針を確認。ひなぎく側は、被害児童・生徒に接する際には傷つけないよう気を配り、プライバシーに最大限配慮するよう求めた。

 意見交換も行われ、同県丹南地域の中学に勤める養護教諭は「相談先がよく分からず不安があった。被害が分かったらすぐに連絡し、専門家の判断を仰ぎたい」と述べた。

 細川センター長は取材に対し「10代で受けた心の傷は一生残ることがあり、すぐに治療を始めることが重要」と指摘。「警察に通報する場合にも、暴行痕などの証拠保全は一刻を争うため、早めの申告が必要になる」と、学校関係者に理解と協力を求めていくとした。