最後のニホンオオカミどこにいた 福井か奈良か、謎に迫る

(2016年5月24日午前7時00分)
最後のニホンオオカミの謎に迫る企画展=福井県立図書館
 国内で最後に確認されたニホンオオカミは1910年に福井城址で捕殺されたオオカミだったのではないかとするテーマ展が6月22日まで、福井県立図書館(福井市)で開かれた。このオオカミの写真や福井城址にあり捕殺現場になった松平試農場の資料、同試農場の職員が書いた日記などが並び、推理欲をかき立てた。

 定説では1905年、奈良県東吉野村で捕獲されたニホンオオカミが最後とされている。しかし福井で捕殺されたオオカミを撮影した写真が61年に見つかり、福井新聞に掲載されたことから最後の1頭はどちらだったのか議論になった。

 結局、写真から推測される体長がニホンオオカミより大きく、捕殺の数日前に巡回動物園からオオカミが脱走した記録があることなどから、福井城址のオオカミはチョウセンオオカミだと学会で断定された。

 その後、捕殺されたオオカミと人が一緒に写った写真やオオカミの体重を記した資料が見つかった。チョウセンオオカミより小型と推測されたことから、福井城址の方もニホンオオカミだったのではないかとする説が2003年、再提起されている。

 証明には体毛などが必要だが、保存されていた剥製標本は戦災で焼失したという。

 展示では越前松平家から寄託された松平文庫や捕殺を伝える新聞記事など資料を紹介。タイリクオオカミの剥製などもあり、会場を訪れた人は足を止め興味深そうに見入っていた。

 同館職員の長野栄俊さんは「多くの人が興味を持っているようで、オオカミには人を引きつけるロマンがある」と話していた。